「成長中の買取業の内容を知りたい」
「未経験者が買取業に参入するなら、初期費用や維持費はいくらかかる?」
「おすすめのフランチャイズはある?」
今回は買取業界の特徴や、開業前後に発生する費用、おすすめのフランチャイズについて解説していきます。
買取店の特徴と種類
近年は不況の影響でリユース業が浸透し、買取業が注目を集めています。
注目を集めている、買取業の特徴や種類について解説します。
省スペースで開業できる
買取業はリユース業の中でも、狭いスペースで開業可能です。
買取専門で販売業務がないため、商品を陳列する空間が必要なく、最低2坪程度の商談スペースだけでも業務が成立するからです。
昨今はネット上の取引が盛んで、オンラインの販路を開拓できれば商品の換金サイクルが早まり、在庫スペースも省略できます。
ランニングコストを抑えられる
狭いスペースで業務が完結することは、経営のランニングコストを抑えられる要因になります。
小空間なら家賃や光熱費も安く抑えられ、少ない人数で業務を回せて、人件費の節約も可能です。
顧客は品物の売却のために店舗を訪れるため、繁華街などの好立地から離れた家賃の安い物件でも不利になりにくいのもポイント。
現金支払いが多いので資金管理に注意
他の業態なら必要な品物を仕入れても、代金は月末などにまとめて支払えば大丈夫ですが、買取店は違います。
顧客から品物を仕入れる際に現金が支払われるため、運転費用として常に一定額を残しておく必要があるのです。
資金管理が底をついてしまうと、商品の仕入れができず、業務停止になる可能性もあります。
買取店ならフランチャイズがおすすめ!
買取業は品物の査定業務や市場のトレンドへの理解、集客方法から販売ルートの確保まで、専門性が要求される職業です。
個人で開業する層は、もともと業界にいた人間か、副業として買取業の経験をある程度蓄積した人間に限られます。
いくら成長中の業界に魅力を感じていても、未経験では参入するのが厳しいのが現状。
しかし買取フランチャイズに加盟すれば、未経験者でも買取業を経営可能にする豊富なノウハウとサポートが得られます。
とくに本部の中でも「買取大吉」は充実したサポート体制によって、店舗継続率は※97.3%で赤字撤退なしの実績です。
※2022年10月~2023年9月のデータです。
フランチャイズ買取店にかかるコスト
フランチャイズ買取店のコストは大きく分けて、開業時の初期費用と毎月の維持費の2種類です。
加盟する本部によって多少異なりますが、一般的な内訳と具体的な額を紹介します。
開業資金
買取店を開業するために必要な初期費用について解説します。
店舗関連費
店舗関連費は、物件取得費や内外装費、什器などの設備導入費の総称です。
開業規模や立地によって額は異なるので一概にはいえず、100~1000万円程度の額がかかります。
10~15坪程度の店舗と仮定する場合、おおよそ300~500万円ほどが一般的ですが、居ぬき物件などを利用すると安く抑えられます。
また買取専門なら在庫・陳列スペースが削減できるため、店舗関連費を安く抑えられるのもポイント。
当然ながら無店舗型で開業する場合は費用をゼロにできます。
研修費
研修費は、開業前に品物の査定技術や接客スキル、店舗の経営手法などを学ぶための費用です。
研修を受ける人数によって額は変動しますが、オーナー1人だけで開業する場合は20~100万円程度が一般的です。
買取業は少人数で経営できる業態なので、研修費は安く抑えられます。
資格取得費
事業として中古品の売買を行うには「古物商許可」の資格が必要で、違反すると懲役や罰金が科せられる可能性があります。
費用は19,000円(税込)で、未経験者でもフランチャイズ本部が取得のサポートを行ってくれるので心配ありません。
保証金
加盟店側が違約金や損害金を支払えなかった場合に備え、本部に預ける一時金です。
買取フランチャイズでは10~100万円ほどが一般的ですが、業界参入のハードルを下げるために無料に設定する本部も多いです。
運営資金
店舗を経営する過程で必要な維持費について解説します。
人件費
オーナー以外の従業員を雇う際に必要な費用で、月々20~40万円ほどが一般的な額です。
しかし買取業は1日の来店者数も平均5~10人程度で、オーナー1人で十分経営可能なため人件費が必要なパターンは少ないです。
ただし多店舗経営などでオーナーが店舗に不在な場合は、人を雇う必要があります。
店舗関連費
店舗関連費は毎月の家賃や、水道光熱費や通信費などライフラインの確保に必要な経費です。
立地によっても額は変動しますが、10~15坪ほどの敷地ならライフラインの費用を入れても月々15~35万円ほどで収まります。
買取業は郊外の二等地でも十分に利益を出してきた実績があるため、他業種より物件費が安価で済むのも強みです。
広告・宣伝費
買取業では開業時だけでなく、チラシなどで定期的に宣伝を打たなければ来客数が減少してしまいます。
特に買取フランチャイズなら個人店では難しい、テレビやSNSを利用した大規模な宣伝を本部が代行してくれるため心強いです。
費用は個人店ではオーナーの方針次第ですが、フランチャイズ加盟店なら協賛金の名目で月々10~50万円程度を本部に納めます。
フランチャイズ買取店の特に重要なコスト
フランチャイズ加盟店が本部に支払う費用の中で、開業時の「加盟金」と毎月の「ロイヤリティ」に関する設定はさまざまです。
加盟する本部を選ぶ際の注意点も合わせて解説しますので、是非参考にしてください。
加盟金
加盟金は、フランチャイズに加盟するための費用です。
本部によって0~500万円とバラつきがありますが、一般的なのは100~300万円程です。
加盟時に発生する費用で、解約時も返還されないため、一見安価であるほど好ましいですが落とし穴もあります。
加盟店を増やすために企業側は、加盟金をはじめ初期費用を安く見せかけている場合があるからです。
具体例として、安価な加盟金を掲げている本部は、別の費用に上乗せしている場合があります。
初期費用を考慮する際は加盟金の安さだけに注目せず、経費全体から検討するようにしてください。
ロイヤリティ
ロイヤリティは、本部の商標権や加盟店へのサポートに対して支払われる月々の費用です。
ロイヤリティは大きく分けて、毎月固定額を支払う「定額制」と売上に対する割合で支払う「歩合制」の2種類があります。
定額制は売上が多いほど利益率は高くなりますが、少ない場合は赤字のリスクがあり、毎月10~40万円程度が一般的です。
歩合制は売上が多いほど支払額は上昇しますが、利益が少ないときは負担が少なく、売上の5~10%に設定されることが多いです。
買取フランチャイズの多くは定額制を採用しており、毎月の支出が把握しやすく、店舗の努力次第で利益率の向上します。
ロイヤリティも安価なほど優秀に思えますが、未経験者に必要なサポート体制や企業のネームバリューが不十分な場合もあります。
とくに本部のネームバリューや取扱品目の幅広さは、店舗の集客力に直結するので、目先のコストに惑わされないようにしましょう。
毎月の維持費を含めた収益モデル
買取フランチャイズの多くは、参入希望者へ向けて月々の収益モデルを公表しています。
今回は「買取大吉」の収益モデルをご紹介しますので、加盟店を選ぶ際の参考にしてください。
初期費用
加盟金 | 220万円(固定) |
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開業準備金 | 110万円(固定) |
開業支援金 | 220万円(固定) |
物件取得費※ | 150万円〜 |
内外装費※ | 200万円〜 |
特殊什器 | 50万円 |
合計初期費用 | 950万円〜 |
※物件により異なります。
売上と仕入れ
売上 | 868万円 |
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買取(仕入) | 482万円 |
粗利 | 386万円 |
必要経費
広告費 | 80万円 |
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人件費 | 35万円 |
家賃 | 25万円 |
ロイヤリティ | 22万円(固定) |
広告協賛費 | 10万円(固定) |
光熱・通信費 | 4万4,000円 |
オークション手数料 | 8万円 |
消耗品 | 4万1,000円 |
荷造り運賃 | 5万6,000円 |
雑費 | 4万9,000円 |
経費合計 | 199万円 |
営業利益
営業利益 | 187万円 |
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※料金は全て税込表示となっています。
上記の表は開業初月で、店舗面積は約25坪、オーナー以外の従業員を1人雇用した際の参考モデルです。
大吉の初期費用は「開業支援金」が請求されるので多少高額ですが、物件調査や初月のSV駐在といった充実したサポートが受けられます。
必要経費は、開業初月なのでやや広告費の比重が高いですが、リピーターを獲得できれば次月以降の成績が期待できます。
大吉のモデルは初期投資は1000万円近いですが最短3か月、平均で6~10か月程度と、初期投資の回収サイクルが非常に早いです。
買取店のコストに関する質問
買取店を開業・経営していくうえで必要なコストについて、よく寄せられる質問と回答を紹介します。
買取店は自分で開業する方が安い?
本業の合間や週末のみといったように副業として買取業スタートする場合は、自分で開業するのも1つの手です。
現在はオンライン市場が活発なため、品目次第ではフランチャイズに加盟せずとも十分自力で経験を積めます。
しかし後述の事情から業界経験者でもない限り、個人で最初から本業として買取業に参入するのは賢明ではありません。
フランチャイズは余分なお金がかかりそうなのにおすすめ?
フランチャイズは初期費用の他に、月々のロイヤリティが発生しますが、未経験者は加盟すべきです。
未経験者の参入にあたってネックなのは、買取業の専門性の高さです。
しかしフランチャイズに加盟すれば、下記のような企業側が持つ豊富なノウハウやサポートを受けられます。
開業前
開業資金の借り入れ先の紹介やサポートが受けられる。
2.資格取得サポート
古物商許可取得のサポートが受けられる。
3.物件のリサーチ
出店場所をリサーチし、成功しやすい場所を提案してくれる。
4.研修
査定や接客、経営のノウハウを伝授してくれる。
開業後
1.査定サポート
写真を撮影してAIを利用したり、経験豊かな本部の人間と相談したりしながら査定できる。
ブランドによっては査定が間違っていた際の返金保証制度を設けているところもある。
2.SVや本部のサポート
開業後でも不明な点はSVや本部に相談でき、業務を代行してくれる。
トラブルやクレーム対応の代行、弁護士などの相談先も紹介してくれる。
3.販路の斡旋
本部が商品を買い取ってくれたり、販路を紹介してくれたりするので、在庫リスクが少なく業務を簡略化できる。
4.宣伝
個人店では難しい大規模な宣伝・広告戦略を実行できる。
5.ネームバリュー
買取業において加盟先の知名度は信用や集客力に直結するため、有利にスタートを切れる。
上記のメリットは未経験者が買取業に参入するにあたり、初期費用やロイヤリティというデメリットを補って余りあるものです。
もし買取業で独立を希望されるなら、フランチャイズに加盟されることをおすすめします。
コストを抑えたいけど1人でも経営できる?
可能です。
買取業は肉体的負担の少ない業務で老若男女問わず活躍できるため、企業側も特に加盟者の制限は設けないことが多いです。
女性オーナーはもちろん、定年退職後に第2のキャリアとして業界デビューする人もおり、他業種と兼業も歓迎しています。
コスト面も重視したおすすめフランチャイズ事業者4選
基本的に買取フランチャイズは本部ごとに、業務内容や取扱品目に大きな差異はありません。
よって買取フランチャイズはコスト面や本部からのサポート内容で、競合店に対して差別化を図っています。
代表的な買取フランチャイズの買取大吉・WAKABA・大黒屋・K-ブランドオフの4つの事業者をコスト面から比較して紹介します。
買取大吉
引用:買取大吉HP
買取大吉は加盟店の継続率は※97.3%、継続しなかった店舗も赤字撤退は一切なしという実績を誇ります。
※2022年10月~2023年9月のデータです。
月々の固定費はロイヤリティ22万円と安価ですが、開業資金は物件関連費を含むと約950万円とやや高額となります。
理由は、加盟金の他にも開業前の本部のサポートに対する対価として、開業準備金と開業支援金が発生するからです。
費用が高い分、開業サポートは手厚く、直営店でも出店したいと思う出店候補地でなければ加盟者には提案しない方針です。
出店後も1週間はSVが店舗に常駐し、初月は週に3回巡回SVが業務支援に訪れます。
研修だけでは不安な買い取り業務も、撮影した写真で本部と相談しながら行え、売却額を本部が保証してくれます。
高いネームバリューに加え、開業時の広告宣伝は本部が積極的に行うので、営業初月から集客も容易なのも高評価です。
以上の点から開業初期から経営を安定させやすく、未経験者でも初期投資を素早く回収できるフランチャイズ本部になっています。
WAKABA
引用:WAKABA HP
WAKABAは二等地や狭いスペースでの出店など、省コスト経営で高い実績を持っています。
初期費用は公式サイトによると、加盟金が275万円以外に物件費などで約500万円かかるため、総額は800万円を超えます。
ロイヤリティについては、月額275,000円(税込)の固定費以外は一切支払う必要がないため、収入と支出の見通しがつきやすいです。
独自のAI査定システムや、2,3か月に1度のSV訪問による指導で開業後の経営も自信を持って取り組めます。
商談スペースのみの最小1.5坪から開業可能で、空きスペースを利用するような家賃や人件費を節約した小規模経営向きの本部です。
大黒屋
引用:大黒屋HP
業界を代表する老舗の大黒屋は初期費用を抑えた開業プランが魅力的。
関東全域と、三重・滋賀県を除く近畿一帯は、加盟金と物件取得費、内外装費が無料の「トリプルゼロプラン」を展開しています。
大黒屋の想定する開業資金は、研修費などを含め480~700万円程度と、他のフランチャイズに比べ安価で参入しやすいといえます。
ロイヤリティは初月~3月目まで上昇し、以降は月44万円(税込)で固定なので、早期に安定した経営体制を構築できると負担が少ないです。
大黒屋は加盟店側の自由度が高いので、本部や店頭以外にも、オークションなどの利益率の高い販路の開拓ができます。
以上の点から大黒屋は、安価な開業費用の一方で、経営者のセンスが求められる加盟先といえます。
K-ブランドオフ
引用:K-ブランドオフHP
K-ブランドオフは、オンライン販売や自社オークションを展開するフランチャイズです。
本部の想定する初期費用は、物件関連費を除いて約500万円で、物件取得・内外装費が加算されれば一般的な額といえます。
一方で月々の支払はロイヤリティ55,000円(税込)とシステム利用料38,500円(税込)のみと非常に負担が軽いのも特徴です。
ランニングコストの安さに対して、AIによる査定補助や、自社オークションの斡旋など加盟店へのサポートも豊富。
しかし傾向として一流ブランド品以外の販路が弱いため、必然的に取扱品目が少なく、収益の間口が狭いデメリットがあります。
買取店にはコストも重要!自分に合ったフランチャイズを選択しよう
未経験者が買取業で成功するためには、フランチャイズのネームバリューとサポートが必要不可欠です。
成功には開業時のイニシャルコストだけでなく、ランニングコストの負担について見極めねばなりません。
初期費用こそ高額ですが、買取大吉は開店初期のサポートを充実させ、経営を軌道に乗せるノウハウが豊富です。
ロイヤリティも業界内では安価な部類なので、経営が長期にわたるほど、競合店よりも利益率に差をつけられます。
フランチャイズを検討する際は、買取大吉で開業することをおすすめします。